SCROLL
#Z世代 #α世代 #アーティスト #アンケート #オタク #キャラクター #ゲーム #タレント #大学生 #推し活
2024.07.31

「あなたは推し活をしていますか?」〜現役大学生の推し活のリアルを調査〜

推し活に関する調査(2024年7月)

山形市にある東北芸術工科大学に在籍している18歳〜24歳の男女を対象に「推し活に関する調査」を実施しました。多様化、ダイバーシティーが広がる中、地方の大学に在籍している大学生の推し活についてアンケート調査から見えてきたことをお伝えします。

トピックス

調査結果

【1】推し活をしている大学生は、全体の62.6%

山形市にある東北芸術工科大学に在籍している大学生の男女139名にアンケート調査を行ったところ、「推し活をしている」と回答した対象者が87名(62.6%)だった。一方で、「推し活に興味がない」と回答した対象者は、19名(13.7%)で、推し活に興味がない層がマイノリティーとなる結果となった。また現在、推し活をしていない大学生でも、推し活に興味関心がある層(してみたい、興味があるとの回答者)は、23.8%となり、これから、推し活を行う比率が増えていくことが確認できた。

【2】女性の78.1%が推し活を実施している一方で、男性は27.9%

「推し活の状況」について、男女別で分析を行なったところ、女性の推し活実施比率は、78.1%と高い値を示した。一方で男性は、27.9%だった。

【3】19歳〜22歳以上の年齢別で推し活実施状況をみると19歳が73.7%と多い結果

「推し活の状況」について、年齢別で分析を行なったところ、19歳の推し活実施比率が73.7%と高い傾向が確認できた。より若い年齢ほど推し活の実施が高い傾向が確認できた。

【4】推し活のジャンルは、男女で差のある結果に

推し活をしている人(115名)に、最も推しているジャンルを調査したところ、男女で大きな差が確認できた。男性は、「音楽バンド・グループ」への推し活をしている比率が34.5%と最も高い結果だったことに対し、女性は、「アイドル」が17.7%、「音楽バンド・グループ」が16.3%、「ゲーム」が15.1%と分散する傾向がみえた。その他のジャンルでは、ヒアリングの結果、スポーツ選手、インフルエンサーやゲーム実況、身近な友人知人の名前が挙がっていた。

【5】推している人、キャラクターは、メジャー系が少ない

推し活をしている対象者で、推している人(もの)を記述してもらったところ、アーティストだけでなく、アニメや漫画、ゲーム内に登場するキャラクターや声優などさまざまな名前が挙がった。下記は、記述内容を五十音順で列挙した。

東北芸術工科大学デザイン工学部教授で、マーケティングや生活者行動分析、社会実装の研究を行う緑川岳志氏は、次のように分析しています。

「推し活文化が浸透して、年数が経過していますが、今から4年前の2020年ごろと比較すると、推し活がより市民権を得たと感じています。日々、大学生と接していて感じていることは、その推し活がポジティブで明るくなったことです。かつてはオタクや陰キャといった属性の方が推し活を推進していた時代がありましたが、よりオープンで積極的な自己表現のツールにもなってきたと感じます。今回は、山形県にある東北芸術工科大学の大学生139名へのアンケート調査を行いましたが、実際に推し活をしている比率は、全体の62.6%と高く、女性においては、78.1%とさらに高い数値でした。また若い属性ほど、推し活の実施比率が高い傾向があり、19歳では、73.7%が推し活をしている結果となりました。この傾向は毎年、大学に入学したときでの学生同士の自己紹介の際にも、リアルに感じることがあり、多くの学生が、自分の「推し」を公表していました。また、そこで公表された「推し」は、メジャーなアーティストやタレントが少なく、あるアニメ作品の脇役キャラクターや、その声優、メジャーデビューしていない漫才ユニットなどが挙がっており、よりその裾野が広がっている傾向を感じます。

こうした背景にあるのは、Z世代、α世代が、大量生産、大量消費への疑念を感じ、社会全体に抗いの気持ちが蓄積されているのではないかと分析しています。マスメディアや大型の組織の信頼感の欠如から、より身近で温かく、それでいて裏切ることのないキャラクターへのシンクロニシティを感じているように思います。例えば、今まで推してきたアーティストがメジャーデビューすると推しを止めたりする若年層がいるのもその典型といえます。 今後も推し活の市場は、加速を続け、ロングテールが広がりを続けると思われます。また機能的価値ではなく、感動価値、感情価値を引き立てる推しは、商品設計やサービス設計においても、重要なファクターになっていくため、市場関係者は、動向のチェックを怠らないようにする必要があります。」

緑川岳志 Takeshi Midorikawa

緑川 岳志

東北芸術工科大学 デザイン工学部企画構想学科教授

調査項目

調査概要

調査主体

東北芸術工科大学 イノベーション&コミュニケーション研究所 事務局

注意

本調査結果の利用には、必ず、東北芸術工科大学イノベーション&コミュニケーション研究所(通称:IC Lab.)の明記をお願いします。

記事をシェアする

記事をシェアする

コメントを書く

Page Top